2022年07月18日

資格取得における費用対効果の最適化


 当ブログは金融商品の投資に関する内容を扱っている
が、金銭的な観点で、資格取得という自己投資について
も、費用対効果を最適化するためにはどのようにすれば
よいかを考えたいと思う。
 貪欲に勉強すれば結果は後からついてくるとか、ウン
十万円かけて英会話スクールやプログラミングスクール
に通うとかいう類(たぐい)のものは扱わない。そういう
ものに搾取されないための知恵もまた自己投資である。

■初期投資、補助費用、手当

 今回扱うのは、自身が所属する会社が手当として支給
する資格である。その資格の取得にあたり、初期投資、
補助費用、手当はどのようなものがあるのか、リスト化
する。初期投資を補助費用や手当で回収する観点を持つ。

・初期投資

 参考書や過去問題の購入費、受験のための証明写真の
代金、受験料、受験会場へ行くまでの交通費などが挙げ
られる。

・補助費用

 自身が所属する会社の賃金規定で、上記に挙げた初期
投資に関する補助制度が存在するかどうかを確認する。
図書購入費は年間でいくらまで支給する、合格時にのみ
受験料の半額を支給するなどが挙げられる。
 また、こういった補助費用や後述する一時報奨金は、
たいてい給与の支給額欄に反映されると思われるため、
特に急いで取得する必要がなければ4〜6月を避けたほう
がよいことも考慮するとよい。

・手当

 自身が所属する会社の賃金規定で、一時報奨金として
支給されるのか、資格手当として毎月支給されるのかを
確認する。
 前者であれば合格するまでの受験回数を何回まで許容
できるのかを確認し、後者であれば何ヶ月目で初期投資
から補助費用を引いた差額を回収できるのかを確認する。

 また、賞与査定に資格取得に関する項目があり、取得
した場合としなかった場合の差額がわかるのであれば、
考慮に入れてもよい。

■資格の取捨選択や性質の見極め

 初期投資を回収するという観点を理解したうえで、次
は資格の取捨選択や性質の見極めを実施していく。

・変な見栄を張らないこと

 資格取得にあたり、自身が変な見栄を張らないという
ことも重要である。たとえば、ITエンジニアだから基本
情報技術者から取得しよう、というものである。会社の
賃金規定でITパスポートがあるならこちらから取得する。
 実業務の中でも培った知識はあるのだろうが、すべて
の基礎知識を網羅できるわけではない。その状態で見栄
を張っても勉強意欲が途中でそがれることにもなりかね
ない。基礎から簡単かつ確実にできることを実施する。

・受験日

 自分の好きなタイミングで受験できる資格と、1年の
中で受験日が決まっている資格に分かれる。前者のほう
が明らかにやりやすいだろうし、後者の場合は早い段階
から入念な準備が必要になってくるだろう。
 後者の場合も、自分を追い込むためなどと無理に受験
申し込みを行わず、そのときの自分の状態では明らかに
合格率が低いと判断できる場合は次の受験日へ持ち越す
べきである。

・勉強時間に対する費用対効果

 勉強時間に対する費用対効果であるが、これは同系列
の上位資格を取得する際に考慮する。何もない状態から
ITパスポートを取得する場合とこれを取得してから基本
情報技術者を取得する場合である。
 こういう場合は、会社の賃金規定でも資格手当を支給
する形であれば上位資格を優先するという内容が定めら
れていると思われる。上位資格へ移る際の上昇額が勉強
時間と見合っていなければ、見限ることも考慮する。

・資格の性質の見極め

 資格の中にはそれに対応する参考書の範囲外の内容を
平気で試験に出題するものがあったり、参考書を中心に
勉強すればよいもの、過去問題を中心に勉強すればよい
ものがあったりと、性質はさまざまである。
 アマゾンなどで参考書や過去問題のレビューを見れば
おおむねその辺の情報も把握できることが多い。会社が
支給する補助費用も有限であるため、書籍購入も効率を
考慮する。

■まとめ

 以上、金銭的な観点から資格取得について考えてみた
が、簡単にまとめれば、確実に一発で合格できる資格を
選択して負け戦をしないこと、その際にかかる初期投資
も補助費用でなるべく抑えることである。
 また、その会社にいつまでもいるとは限らない。資格
手当が支給される形であれば、資金回収を完了する前に
そのときが訪れる可能性もある。確実に一発で合格する
ことは、それだけ重要なことなのである。
posted by iceage at 21:08| Comment(0) | 自己投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする